夜明けの街路灯 [パン食]
ふと目覚める。
深い闇の漆黒が広がる。あああ~!すべての電気を消して
寝ていた。貧乏四畳半の外も真っ暗だ。星や月さえも出て
いない闇の中で街路灯の明かりだけがぼんやりと浮かんでいる
黒い厚い雲に覆われていて雨が音もなく降っているのか街路灯
の明かりがゆらゆらと揺れながら不安げに周囲を照らしている。
パチッと目が覚めたせいか全く眠くない。今、何時ごろだろう・・
貧乏四畳半では、闇の中で光っていて時刻を確認できる時計は
ひとつもない。ムクリと起き上がり、時計を街路灯の薄ら明かりが
漏れている窓まで持っていかなければならない。
ああ!夜明け前かあ~雨模様で夜明けであっても暗い闇のまま、
まるで貧乏四畳半の見通しの暗さを暗示しているようだ。
見通しが暗くても将来が不安で不安で眠れなくてもこうやって空腹
が毎朝、起こしてくれる。金がなくても空腹は、お構いなしなのだ。
冷蔵庫に残っている食材を物色する。あああ~!レタスが最後の
時を迎えようとしていた。
外葉から1枚づつ毎日、毎日剥いていって、もう、何日目だろうか?
ついには、こんな姿になってしまっていた。
レタスの最後の日だ。豪華に飾ってやろうじゃないか!
ギョニソを取り出すと、もう方針は決まっていた。
大きかったレタスも毎日1枚づつ裸にされ、こんなに小さく小さくなった。
レタスの芯の葉は小さい。この小ささを大きく見せるには、もはや
このパンしかないだろう!
おおおおおっ!レーズンバターロールっ!
ギョニソとともに挟み込んで、晴れ舞台じゃあああああ~!
おおおおおっ!こんなに豪華になってしまいましたああああ~!
ヽ(=´▽`=)ノ
最後に味付けです。
味付けといえば、コレしかありません。貧乏四畳半に燦然と輝く!
マヨネーズさま~~~じゃああああ~!
おおおおおっ!
んまいっ!
貧乏四畳半の外では、雲が厚いにもかかわらず薄ら明るくなっていて、
朝の騒音が始まりかけていた。雨でも今日のはじまりなのだ。
その始まりにレタスは、終わりを告げた。
雨にもかかわらず周囲を照らしていた街路灯もジ、ジ、ジと最後の音を
たてて消えていった。貧乏四畳半もこのまま消えていく運命なのか?
薄日が射す中で最後のレタスを頬張るのだった。
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